法律とは、人々が安全に協調し合って暮らしていくためのルールです。
お互いにルールを守り、お互いの尊厳を守りながら暮らしていきたいものです。
　今回のビューティーケアセラピストは、美容に関係した法律と、更に商法に関係した法律を知る必要があります。
また、世界が初めて体験する未曽有の超高齢社会では、いまだ経験したことのない問題も生じてくるでしょう。
まさに、高齢者の運転の問題や後見人の問題のように、これからも検討され制度化されるものもあるでしょう。
日々、変化する法律を確認しつつ、法令を遵守しながら仕事をしましょう。

　商法に関係した法律では、消費者契約法、特定商取引法、①( (9, ９, 景品))表示法などがあります。
ケア後、都度払いで料金をいただくケースもあると思いますが、個人事業主などの場合も領収書を発行し、３月の確定申告を行ってください。
また、②( (5, ５, 期間が1ヶ月を超え、金額が5万円を超える))（消費税含む）役務契約を行う際は、特定商取引法の対象ですので、事前の準備（パンフレット）、 契約時の書類（サービス概要書面）、契約後のクーリングオフ、中途解約、契約期間、前受金の保全措置の有無、抗弁権の接続等についても、事前に説明ができるよう準備していることが必要です。
スキンケアのクーリングオフは、③( (7, ７, 8日間, ８日間))で、電話や書留などで消費者から契約を破棄したいと申し出があった場合は、理由の如何を問わず、解約に応じなくてはなりません。
中途解約も④( (10, １０, 違約金))をいただいて返金します。
どの時点もできるだけ誠意をもって接することがクーリングオフも中途解約も減らすことにつながります。
（中途解約における違約金の上限は残額の10％か、⑤( (8, ８, 2, ２))万円のどちらか安い方を頂戴し、残りを適正な時期までに返金します）

　また、私たちは景品表示法（景表法）、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（薬機法）、医師法、あん摩マッサージ指圧師、 はり師、きゅう師等に関する法律（あはき法）、特定商取引法など、様々な法律を守らなくてはいけません。
景表法では正しい広告をしないと⑥( (6, ６, 課徴金))が科せられるようになりました。
また、使用前後の写真もエビデンス⑦( (4, ４, 合理的根拠))が必要です。
効能効果の表現も、「脂肪溶解」、「デトックス」、「セルライト除去」、「シミ・しわの解消」などの表現はできませんし、「完全」、「⑧( (3, ３, 世界一))」、「日本初」、「最高」などの唯一無二を表す言葉も使用できません。
もちろん「治す」、「⑨( (2, ２, 治療))」、「効く」などの言葉も医師法に抵触するので使用できません。

　また、実際には期間が定まっておらず、常にその価格であったり、通常価格より安い価格を強調しているのに実際には通常価格の販売実績がない場合、「今だけ」、「期間限定」などの表示をすることは禁止されています。
さらに根拠のない⑩( (1, １, 2重価格, ２重価格))表示ももちろん禁止されています。

　もう少し詳しく問題用語をあげると、脂肪分解、①( (8, ８, 毒素排泄))、寝ているだけで痩せる、化粧品の有効成分が②( (9, ９, 真皮層))まで届く、などです。 （届け出も済みで、表現を使っても良い商品もある）
私たちが食事制限のみの痩身を推奨すれば、筋肉量が減り、将来③( (10, １０, ロコモティブ症候群))やサルコペニアを引き起こしやすくなります。
私たちはできるだけ健康寿命の延伸に寄与したいものです。 常に消費者側に立って、問題が発生しないように注意しましょう。

　さて、介護に関する法律も様々あります。
皆様は来店型ケアを主に活動されることと思いますが、訪問型のケアセラピストとしては、ケアの最中に発見される傷に注目しましょう。
傷が絶え間なくある場合、④( (7, ７, 虐待))が起きている可能性もあり、まわりの人と相談して、その方の安全を確保しましょう。
また、契約がひとりでは心配と思われる方との契約は⑤( (6, ６, 家族や関係者))の立ち合いのもとで行いましょう。
盗難などの疑いをかけられることのないよう注意する必要もあります。
また、有償ケアができる時間帯も、利用されている介護施設で違います。
デイサービスやデイケアなどでは、介護施設利用中は⑥( (4, ４, 有償ケア))を行えません。 これはその時間帯、介護保険から費用が施設側に支払われているためです。
場所が特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなど、⑦( (5, ５, 生活))の場であれば、ケアセラピストが訪問して有償ケアをすることができます。
事業所の方とよく相談してケアを行うようにしましょう。

そして、ケアをさせて頂く際は、プライバシー⑧( (1, １, 保護法))にも気を配ります。
高齢になればなるほど、さまざまな疾患をお持ちだということを、くれぐれも忘れずに仕事をしましょう。
例えば、ギャッジベッドの柵（サイドレール）は⑨( (2, ２, 転倒防止))のためといっても、まわりを全部を囲ってはいけません。
３本以上使用すると⑩( (3, ３, 身体拘束))となります。（⑩ ）についてはケアセラピストで学習します。

美容に関しては、医師法、薬機法、①( (5, ５, あはき))法、理美容師法、公衆浴場法等、さまざまな法律が関連します。
私たちは②( (10, １０, 病気の診断))ができません(医師法)。
お客様の足のむくみを見て、腎臓が悪いなどと発言しているのをよく聞きますが、この発言は問題です。

アートメイクやレーザー脱毛、③( (9, ９, 腸内))洗浄も行うことはできません。
微妙なケアもあり、歯を白くするマシーンなどはご本人が行えば問題はなく、そのお手伝いはできることになります。
薬機法ではオイルなどを④( (8, ８, 調合))してそれを販売することはできません。
　あはき法とは、あん摩、マッサージ指圧、鍼、⑤( (6, ６, 灸))などを行う方の法律です。
マッサージ師の資格を持たない者が⑥( (4, ４, マッサージ))という言葉は使えません。
新しい業態では、リラクゼーションという表現で⑦( (3, ３, ほぐし))を行っています。
私たちビューティーケアセラピストも⑧( (2, ２, 予防的ケア))という言葉を使いつつ、トリートメントやケアという表現で説明やパンフレットを作成しましょう。

　また、関節の可動域が狭い、麻痺などのある方にトリートメントを行う際も、⑨( (7, ７, 医学的リハビリテーション))を行うことはできません。
私たちは関節可動域の⑩( (1, １, 保持))という言葉を使用します。

　理容師でない限り、刃物を使っての①( (7, ７, 顔そり))はできません。
美容師でない限り、美容室でパーマメントやカットをすることはできません。
また、まつ毛パーマも同様です。

シャワールームに関しては②( (8, ８, 公衆浴場法))が関係し、本格的スパや銭湯はもちろん届け出がなされています。
介護では市町村や県への届け出により入浴場を設けています。
よって一般のサロンでは金銭をいただいてシャワーを利用していただくことはできません。
　ケアセラピストも、平成28年にグレーゾーン解消制度を通過した乾燥・浮腫・③( (6, ６, 巻き爪予防))などを、 きちんと学び、登録し④( (9, ９, 保険加入))して、⑤( (10, １０, 医師))に 助言書をいただいてケアした場合は、グレーではないという回答を厚生労働省、⑥( (3, ３, 経済産業省))からいただきました。
　このビューティーケアセラピストも、「美容」から「医療と介護の周辺産業」を担う技術者として、日本の健康寿命延伸に役立つケアを目指したいと思います。

ストレス緩和から始まり、乾燥の予防ケア・浮腫の予防ケア・巻き爪の予防、そしてストレス軽減・⑦( (2, ２, メタボリックシンドローム))・ロコモティブ症候群・サルコペニアの予防に貢献したいと願います。

ここで確認ですが、医療や介護は私たちから徴収される税金や保険料で賄われています。
看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、技師装具士などは、医師より⑧( (5, ５, 指示書))をもらって患者さんやご利用者に関わっています。
今後携わっていく可能性のあるケアセラピストはどうかというと、医師の先生方にお願いし、「この方のケアは治療ではなく、あなたたちケアセラピストの予防的ケアを行って良いが、こんな点には注意してね」というような⑨( (1, １, 助言書))をいただきます。

そして、料金はご利用者からいただきます。
介護保険も、食事や宿泊については、実際食事をされた方、実際宿泊をされた方からお金をいただく仕組みです。
継続してこそ実るケアです。 正しく⑩( (4, ４, 有償ケア))を進めましょう。
（領収書の発行、保険加入、継続教育を実施）

　シニア世代はお元気でも、「オレオレ詐欺」や「①( (7, ７, 催眠商法))」などの被害にあっています。
一度だけのつもりの商品が毎月送られてくるなども同様です。
みんなで②( (9, ９, 気付いて))、みんなで見守りたいものです。

早くから、身の回りの支払いなどをしてくれたり、年金などの管理をしてくれる③( (6, ６, 日常生活自立))支援事業や、財産や不動産に ついても、支援・援助をしてくれる成人④( (10, １０, 後見人))制度などがあることを知っておきましょう。 また、介護保険料の支払い、徴収は40歳からですが、利用できるのは基本的に⑤( (3, ３, 65歳, ６５歳)) からで、本人や家族が⑥( (5, ５, 自分で申請))しないと認定調査を受けることができません。
私たちは若く元気なうちから、制度についてよく知り、適切な活用の仕方も知っている必要があります。

　さて、シニア世代をケアさせていただく際、生理的老化が始まっていること、病気なども増えておられ⑦( (4, ４, 個人情報))やプライバシーに関する情報も増え、取扱いに注意が必要です。
　また、⑧( (1, １, 虐待防止))法や身体拘束の問題も実際に関わることが生じてくるかもしれません。
　社会の変化に合わせて学習をし続けましょう。

　シニア世代の増える中、⑨( (2, ２, 他の職業))に抵触しないよう、⑩( (8, ８, 使用禁止))用語を使わず、さまざまな法律を理解する努力をしましょう。